世界はあまりに膨大になりすぎたため、ただの羅針盤にさえ重大な意味がある。

愛のうた


へルタースケルター

一時代に一度しか現れないほどの、ぞっとするような傑作。更新する気を完全にくじくから、できるだけ読み返さない。
ボラット

体制と良識に対する挑戦、揺さぶることで既存の枠組みを可視化させるのが、芸人の機能である。例えばテレビで政策を語る誰かは、あらかじめのエクスキューズを得ている点で、パラリンピックの競技者に酷似している。ボラットの方法論を採用しないならば、本来の役割を喪失した彼は、個の欠落を優越にすりかえる欺瞞となる。
ゆきゆきて、神軍

定番すぎる? 最近はじめて見ました。劇場型の精神病患者にカメラを向けるとこうなります。あまりにもすべてが日本的な要素でできあがっており、端々の細かな情報に過去の記憶を刺激されて息苦しくなる。
ラストキング・オブ・スコットランド

人食い大統領アミンの蛮行から、人を殺せる権力さえ手に入れれば、英語が汚くても大丈夫ということを学びました。そして、青年医師の人物造形が素晴らしすぎる。きっとみんなあんなふうに行動するぜ。
ルワンダの涙

キリスト教が最強の宗教である所以は、現実が絶望的であればあるほど死後の救済が増幅し、個人の魂に限定すれば理論上は精神の敗北が不可能な構造をしている点にある。いい映画ですが、その意味で複雑。
ヨーロッパの個人主義

評論ではなく、私小説として読むべし。未だ認められざる者の噴き上がりが最高にロックだ。最近の復刻版あとがきに漂う権威臭に、長年の呪縛が解けました。その記念として君におすすめ。講談社版から読もう。
ブラッド・ダイアモンド

レオ様がこんなに輝いているなんて、ギルバート・グレイプ以来なかったことだぜ!
ぼくを葬る

個人主義が押し詰まると、死さえもが個別的になる。他者や社会と死を共有できない者が、その急激な埋め合わせに宗教を選ぶのは当然である。個人主義とは、誰にも理解されない無二の死を死ぬことと考えよ。
善き人のためのソナタ

真冬の陽光、砂漠の雨。文学や音楽の豊かさを享受するためには、精神的な欠乏や飢餓が不可欠である。水ぶくれの我々には望めない感動がそこにあるのだろう。"This is for me."
リトル・ミス・サンシャイン

8月段階で2007年度の私的ベストの予感。家族という系は世間という系に対するアンチによってのみ機能し得る。unusualな、家族という強度に聞く未来への賛歌。
デジャヴ

20年という歳月を経て、ようやくハリウッドが日本のエロゲーに追いついた。恋愛あるいは性欲のためなら、物理法則さえねじ曲がるこの世界観に目眩を覚える。
ドッグヴィル

恩を仇で返す輩は、皆殺しだ! 西洋版「鶴の恩返し」という視点で見ると楽しい。私の中の何分の一かは、これの完結編のために生きてます。
トランスアメリカ

ガビーン! ちんこ見えとるー! この大混乱と小さな収束は、実にアメリカっぽいぜ!
銀河ヒッチハイクガイド

SF好きで、モンティパイソン好きならマスト。宇宙と生命の意味は42。さようなら、いままで魚をありがとう。
銀色の愛ふたたび

続編が出ててびっくり。20年ぶりくらい? こういう表紙をつけられると、買いにくい。魂の実在が前提なのは違和感あり。キリスト教め。
 

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