世界はあまりに膨大になりすぎたため、ただの羅針盤にさえ重大な意味がある。

愛のうた


チェンジリング

タイトルから逆算した先入観から、寓意的な話だと思ってました。国家に狂気を立証されることの恐怖もさることながら、わたくし初めてアンジェリーナ・ジョリーが役者なんだなと実感しました。
沖縄決戦

官民に渡る膨大な群像劇を平易に理解させる演出に、硬質な台詞をきちんと聞かせる俳優の力。日本の現状に絶望的な気持ちになること請け合い。もちろん、戦後的な意味ではなく。
フェルマーの最終定理

数学のわからぬ小生にとっては、SF的な楽しさが先行した。「ひとたび立証すれば、何人も覆せぬ」というシンプルさに憧れる。なんとなれば、nWoは何度も立証し続けているが、承認はおろか何人の追試も行われぬ状態にずっと置かれているからである。
ファニーゲームスU.S.A.

映画に娯楽以上の要素を求めてしまう貴兄は、必ず見るべきでしょう。また、「機械じかけのオレンジ」が好きな貴兄も見ておくべきでしょう。明言は避けますが、何らか点で究極を極めた作品です。しかし、貴兄はたぶんこれを見返そうとは思いません。なぜなら、この映画を視聴するという行為が、一回性の体験へと昇華されるからです。個人的には、会話劇が大好きということもありますが、冒頭近くの卵を借りるシーンが度外れて秀逸でぞっとしました。
ニューオーリンズ・トライアル

裁判員制度の導入に際して、諸君が行動のモデルケースとして倣うべき主人公である。召集令状が届いたならば、最低これくらいは激しくやってもらわねばなるまい。ところで話は全く変わるが、ダスティ・ホフマンを見るとき小生はなぜかいつも武田鉄矢を想起する。両者の演技に通底する何かを感じとるからだが、その中身をうまく言えた試しがない。胸やけ度?
朝日のあたる家

虫の知らせか、最近なんとなく読み返していた。あの頃に感じた気持ちは、未だぼくを裏切らなかった。もちろん、3巻までの話をしているよ。
マンデラの名もなき看守

ネルソン・マンデラが初めて映画化を許諾したというふれこみに、ドキドキしながら視聴を開始したのであるが、結論を申すならば小生の彼への評価が下がった。無論、元・名誉白人で政治嫌いの一おたくが極東で何を感じ何を放言しようとも、南アの英雄にとっていかなる痛痒もないことは言うまでもない。あと、シーン末尾の切り方がヘンだなあ、と思った。
シティオブゴッド

ぼくは人嫌いだ。君がこころを告白をするとき、ぼくはぞっとして、ますます人間のことが嫌いになる。でも、リトル・ゼはこころを何も語らない。愛と嫉妬と怒りと悲しみの違いがわからなくて、友の死にも、ひとつの叫びとみっつの空砲だけ。ぼくは少しだけ、人間のことを好きでいたくなる。
デモンズソウル

この、ファミコン時代の手触り感は、近年稀に見るnWo更新への巨大な障壁となった。よい大人が怒りにまかせてコントローラーを投げつけ、しばらくするとまた気まずげにひろいあげる。ポリゴンの、ドットの隅々にまで愛がゆきわたっているからだ。
イントゥ・ザ・ワイルド

世の中の真理は実のところ簡単な標語のようなものだが、そこへ血肉の実感を通わせるためには死に近い場所をくぐりぬける必要がある。この映画には頭でっかちな我々が、現代をたいらげるための皮肉な処方箋が描かれているのだ。つまり、「家族を大切にしよう」。
WALL・E

永遠に生きれば死なないのに、愛は永遠より短い。人間嫌いでフランケンシュタイン好きの小生にとって、物語前半は呼吸が停止するほどの傑作であった。けど、宇宙に出て舞台が広がった途端にテーマが狭まるのはどないやねん。
ブラインドネス

えるしっているか シチュエーション・コメディということばはあるが シチュエーション・トラジディということばはない
ハロウィン

オリジナル版の恐怖が持つ無形感が、過去編の挿入により薄れるのではいう危惧はすぐに消えた。なんとなれば、我々の時代はすでに類似した隣人を有してしまっているからである。殺害してなお肉親への執着から逃れられない有様に、なんだか胸がざわざわする。
ワンダービット

氏の最高傑作。ストーリーテリングに対するおそらく劣等感から語り始めるが、次第に含羞が勝り物語が崩壊するという過程を幾度も見てきた。秀逸な短編の連続が、結果として長編を構成するというこの方法論は、氏の持ち味の良い部分だけを最大限に引き出している。4巻まとめて読むべし。え、もしかしてこれも絶版なの? なっ! 何をするだァーーーッ! ゆるさんッ!
度胸星

なんとか兄弟が流行っていると聞いたので、急遽追加である。前述の作品にせよ、なんとかネテスにせよ、宇宙という壮大さを舞台にしながらジャンルはホームドラマである。一方、度胸星はSFである。宇宙という神の冷厳さを人間の持つ価値観の矮小さで暖めない倫理観がSFなのである。オバマ似の黒人大統領をはじめとして、いろいろと予言しすぎた作品であり、そして予言しすぎるものは時代に拒絶される運命を持つのである。ハハハ、お前の思いつめた表情はまるでnWoがそうですと言わんばかりだな!
 

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