DiabloIIR: RotWに1日1時間を捧げる日々を過ごしている。路上のムシロに出勤する前にメフィストの対岸焼きを数回、ルンペン・ワークからの帰宅後にkey集めと各地のトレハンスポットをぐるり1周するのが、もはや生活の一部となってしまった。それもこれも、新クラスのウォーロックが万能すぎるせいで、「ブリソサは耐久性に欠け、ハマーディンは狭い場所が苦手」みたいな定番ビルドの愛嬌みたいなものが、コイツにはまったく存在しないのである。1ヶ月のプレイで死んだ記憶はわずか2回ーー骨チビの連続爆発とゴーストの収束雷ビームというド定番の死因ーーで、アルコールさえ入れなければハードコアでのレベル99達成もできると確信するほどのブッ壊れぶりなのだった。なぜこんな調整になっているのかと言えば、同名のクラスがDiablo4の次期大型アップデートで導入されるからで、短期集中の文字通り「客寄せパンダ」として、意図的なバランス崩しをやっていると思われる。それを証拠に、先日リリースされた次期ラダーにおけるウォーロックの下方修正リストは、ホヨバの課金アプリで実行されたならば、ネットはファンの暴動で大騒ぎになり、翌日には株価急落のストップ安になるレベルのひどい内容になっている。自分の手元にある「ぼくのかんがえたさいきょうまほうつかい」が1シーズンのみの仇花になるとわかったことで、急速に気持ちは冷めてきており、心の熱が完全に失われないうちに、DiabloIIなる古代の遊戯について、駄テキストを残しておこうと思いたった次第である。
以前にも述べたように、DiabloIIはラダーリセットですべてがご破算になるまでの、約4ヶ月にわたる市場経済の推移を楽しむゲームであると言えるだろう。アイテムの価値はシーズン開始直後を最高として漸減してゆくのだが、それを順に追いかけるなら、ざっと次のようになる。最初期はトレハン用ユニークとセットがとぶように売れ、次にビルド完成用のユニークとセットが求められるようになる。有用なユニークとセットが市場に飽和ーーRingとAmuletは値崩れしない印象ーーしだすと、付与された可変値が重視されはじめ、Skillerと呼ばれるスキルレベルを上昇させるgrand charmの募集がはじまる。そして、超級ルーンワード用のルーンとソケットアイテムに需要が高まる時期が長く続き、ラダー終盤では超級unique small charmであるAnnihilusと超級unique large charmであるHellfire Torchの良可変値を求めて市場がにぎわい、やがて可変値MAX品にしか価値が無くなる頃に、ラダーは終焉をむかえるのである。ちなみに、このAnnihilusーー”あにひらす”と記述すると、アラ、まるで地方行政のPR誌のような印象にーーは、Stone of Jordan(以下、SOJ)というunique ringをサーバー上で100個ほど売却したあとに出現するDiablo Cloneをたおすと、確定ドロップとなる。SOJのドロップ率は0.0003%程度なので、個人ではぜったいに到達しえない気のくるった仕様になっている。いまでは文脈が消えてしまっているが、無印DiabloIIの時代はSOJがトレード通貨として機能ーーアイテムの種類が少なく、LoD以降よりずっとドロップしやすかったためーーしており、それゆえに大量のdupe(複製)が出まわっていたのである。その違法コピー品を、Blizzard社が市場から一掃するための施作として生まれた仕様なのであり、出現するsuper unique monsterがDiablo “Clone”なのも気がきいている。
ちなみに、ゲーム中でもっとも出現率の低いアイテムはハイルーンのZODで、0.0000003%ーー宝くじで1等を当てる確率は0.000005%ーーほどとなっており、「20年プレイし続けているが、いちども自力で入手したことはない」のも、当たりまえの世界なのである。DiabloIIでは、パーティの人数が多いほどドロップ率がよくなるーー正確に言うと、落ちるアイテムの数が増えるので、レアの抽選回数が増えるーーため、本質的にラダーは勤め人のサラリーマンが資産形成でたちうちできる場所ではない。1回のラダー開催期間を120日と仮定して、bot入りの8人パーティで1日24時間を稼働し続けるチームと、アルコール入りの1人パーティで1日1時間ほどしかさわれないソロとの差は、単純に各項目をかけ算すれば、一目瞭然であろう(過去、「Hellfire Torchを入手するための3種のkeyは、ラダー全期間を通じてほぼ価値が変動しないから、hell act1の通称”ルーンおばさん”を狩り続けてbotterとトレードするのが、ソロによる資産形成の最高効率」という指摘に、目からウロコが落ちて実行にうつしたところ、工場のベルトコンベアーめいたその単純労働は、小鳥猊下がゲームに求める喜びとはあまりにも遠いものだったので、早々に断念したのを思いだした)。Hellfire Torch入手のために”強化3悪魔”を打倒できるビルドの育成が、ながらくDiabloIIのエンドゲームだったのだが、RotWにおいてはさらなる強敵”Colossal Ancients”が導入された。私のプレイスタイルでは、ギリギリそこに届かないぐらいで今シーズンのラダーは終了しそうであり、ここまで、DiabloIIなる古代の遊戯ついての客観的な認識をつらつらとならべてきて、以後はタイムリミットのないノンラダーで細々と遊ぶのが、正解のような気分になってきた。それだけでも、だれも読まない駄テキストをつづった意味があったというものだろう。
オマケ的に報告しておくと、今回、非常な勢いで進捗した映像のながら見は「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」だった。ハチワンダイバーの作者による原作で、氏の悪癖ならぬ性癖であるところの「特撮が好き」「巨乳巨女が好き」「鼻血とゲロが好き」だけを極限まで煮つめたような作品になっている。どういった政治力によるものか、2クール24話の枠をいただいているのに、「仮面ライダーのいない社会に、なぜショッカーが存在するのか?」という特大かつ原初の問いからどんどん遠ざかりながら、ガタイのいい女がグーで顔面をなぐったりなぐられたりするのを、延々と見せられ続けるのである。長時間におよぶ無為なトレハンとのSOJ(相乗)効果もあり、物語にはテーマを見いだしたい古い虚構耽溺者にとって、かゆいところをいっこうにかいてくれないイライラは、最高潮へと高まっていったのだった。東映が本作へ全面協力しているようなのは、おそらく組織内の世代交代が進行して創業初期メンバーが消滅したゆえの悲劇的ナンセンスであり、1話と最終話だけを見れば物語の極薄エッセンスを嚥下するのに寸分の過不足もないと、ここに吐きすてておこう。